第11回 定款・規約等の見直しは?
会社や事業の「ルールブック」を整えていますか?
~定款・規約の見直しで事業運営をスムーズに~
事業を営んでいると、日々の売上や経費管理、人材の採用・育成といった実務に追われ、「会社や組織のルールづくり」にまで意識が向かないことが多いのではないでしょうか。しかし、会社や団体の根本にある「定款」や「規約」は、いわば事業を進めるための ルールブック です。ここに不備があると、後々のトラブルや意思決定の停滞につながることがあります。
◆定款・規約の役割とは?
・定款:会社や法人の基本的な決まりごと。目的、組織体制、決算期、機関設計などを定めます。
・規約:社員や組合員、従業員などとの関わりを整理するための細則や内部規定。
これらが現状に合っていないと、例えば次のような問題が起こりえます。
・取締役や役員の任期が切れているのに手続きがなされていない
・事業目的が古いままで、新規事業が登記できない
・組織変更や代表者交代が円滑に進まない
・就業規則や労務関係のルールが不十分で労使トラブルが発生する
◆行政書士にできること
行政書士は「身近な法律家」として、以下のようなサポートを行うことができます。
・定款の作成・変更手続き
・法人規約の改正案作成
・株主総会・社員総会の議事録作成支援
・各種許認可に関する書類作成
単に書類を作るだけでなく、経営者の方とヒアリングを行い、現在の事業内容や将来の展望に即した形へと整備していきます。
◆他士業との連携でより安心に
事業運営には、税務・登記・労務・不動産といった幅広い専門分野が関わります。行政書士単独で対応できることも多いですが、次のようなケースでは 他士業との連携 が不可欠です。
・定款変更登記 → 司法書士
・税務・会計処理 → 税理士
・労務管理や社会保険関係 → 社労士
・不動産の売買・賃貸 → 宅建士
・不動産の測量や境界確定 → 土地家屋調査士
行政書士が窓口となり、信頼できる他士業と連携することで、事業主様はワンストップで安心して手続きを進められます。
◆中小事業所・個人事業主様へ
「うちは小さな会社だから」「個人でやっているから」と思われる方も多いですが、むしろ規模が小さいほどルールづくりは重要です。
・組織の意思決定をスムーズにする
・外部からの信頼を高める
・従業員や家族の間での役割を明確にする
こうした基盤を整えておくことで、日常業務に専念でき、成長への一歩を踏み出しやすくなります。
◆事例紹介
事例①:事業目的が古いままで新規事業が始められなかったケース
小規模企業様では、もともと「建築資材の販売」を主目的として会社を設立していました。しかし「リフォーム事業」に参入したいと考えたところ、定款にその事業目的が記載されておらず登記ができませんでした。行政書士がヒアリングを行い、将来の展開も見据えた幅広い事業目的に修正。新規事業の立ち上げがスムーズに進みました。
事例②:役員任期の手続き漏れで補助金申請ができなかったケース
中小事業所のA社では、役員の任期が切れているのに変更登記をしておらず、補助金申請時に指摘を受けてしまいました。行政書士が議事録作成から手続きを整理し、司法書士と連携して登記を完了。無事に補助金の申請が間に合いました。
◆よくある質問(Q&A)
Q1. 定款や規約はどのくらいの頻度で見直すべきですか?
→ 目安としては「事業内容の変更があったとき」「役員の交代や組織変更を行うとき」です。少なくとも数年に一度は確認されることをおすすめします。
Q2. 個人事業主にも規約やルール作りは必要ですか?
→ はい。従業員を雇う際の就業規則や業務マニュアルは、労務トラブル防止や業務効率化に直結します。小規模だからこそルールを明確にしておくことが重要です。
Q3. 定款変更や登記は行政書士だけでできますか?
→ 定款の作成・改正案は行政書士が行えますが、変更登記は司法書士の業務です。行政書士が窓口となり、信頼できる司法書士や税理士、社労士などと連携しながらワンストップでサポートいたします。
◆まとめ
事業を円滑に進めるためには、「定款・規約の確認・整備」が欠かせません。
行政書士はそのサポート役として、さらに他士業と連携しながら、中小事業所や個人事業主の皆様を支えていきます。
「最近、定款や規約を確認していないな…」と思われた方は、この機会にぜひご相談ください。
無料相談も承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。
2025年10月17日
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